遠い将来、カフェを開きたいと思っていました。ごはんやお菓子を作るのが好き、建築やインテリアが好き、食器が好き、歌やダンスが好き、人が好き……。そんな私が「好きなことを全部叶える」には、そうだカフェを作ればいいんだ! と気付いた数年前、びっくりして鳥肌が立ったものでした。
でも、カフェ開業にはたくさんのお金がいる。色々な夢を叶えた先の、あくまで遠い将来の夢として温めていました。
そんな中、12月にアシスタントとして参加していたトレーニングコースの最中、通り掛かった素敵なカフェの前で、なぜか悲痛なほどの強さで、腹の底から「カフェをやる!絶対やってやる!すぐに動き始める!」と突然の思いが湧いてきました。
その翌朝、クリスマスプレゼントを開ける朝の子供みたいにお尻から飛び跳ねるみたいにワクワクして起きたのを覚えています。お金の用意は時間がかかるけど、とりあえずメニューや内装なんかの構想を始めよう。そんな感じでゆるーく動き出すことにしたのです。
翌年の2月に、知人がやっていたバーを閉め、店舗を譲り受ける人を募集していました。改装しようと壁や天井や床を全て剥がした状態の店舗。破格の家賃。とにかく何も考えずハイっと手を挙げていました。決断の期限は翌日。
〈お金ないけど、できるの? できるかな?〉
深く考える暇はありませんでした。もうとにかく「やってみよう! やるんだ!」とめちゃくちゃな決断をしました。
■2014年02月26日
すべてを手作りで改装した「TOUMAI」でアルバイトをしていたので、素人でもやればできるんだと思っていました。しかし、実際に開業する計画もなく、もちろん資金もないところに、ある日突然、友人のバーが閉店するので、店舗物件を引き継いでくれる人を探していたのです。
それが今の「ふたこぶ食堂」に生まれ変わったわけですが、実際の物件を居抜きとはいっても、ほとんどスケルトン状態で、途方に暮れました。そんなときに、DIYの達人である新井さんが登場。最低限の工事のつもりが、本格的なリノベーションになっていきました。
Before いちおう居抜き物件なんだけど、よくこれで営業してたと思うスケルトンぶりです。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
キッチンの基礎はブロックを敷いて、配水管の高さを確保しました。この上に24mmの構造用合板を敷き詰めました。
配水管の壁側が穴が空いていて、外気が吹き込んでいたので、モルタルで埋めました。ペンキを塗ったことも、カナヅチを握ったこともなかったオーナーの樹音さんも作業に参加しています。
石膏ボードを壁に貼って、給水管を蛇口まで配管しました。
キッチンのタイル張り。30cm単位でシートにまとまっているので、それを接着剤で石膏ボードに貼り付けて、目地材を埋め込んでいます。
トイレの壁紙をはがして、床のフロアタイルもはがしました。その後、壁のペンキを塗って、タイルで仕上げしています。
■2014年05月19日 トイレが完成
ふたこぶ食堂、トイレも完成しました。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
いよいよ客席のボード貼りに入りました。水道管のところを細かく切らないとダメかと思ったのですが、金属管なのでちょっと引っ張りながら差し込んでしまいました。片面があと一歩のところで、隣の店の物が振動で落ちるとのことで中断。あと、インドのダウンタウンみたいになっていた電気配線やコンセントを、使っていないのをチェックしながら撤去しました。配電盤も作り直したいけど、これは東電に来てもらわないとダメそうです。
石膏ボードの合わせ目は、ファイバーテープを貼ってから、パテで埋めます。電動ドリルの先につけられるアタッチメントで練ります。ビスの頭もパテ埋めします。
キッチンの漆喰塗り。いよいよ楽しい作業に入りました。ひさしぶりに漆喰を塗ったので、最初は手板の動かし方がぎこちなくて、うまくコテにのりませんでしたが、しばらくして慣れました。石膏ボードなので、1度塗りでそれなりにきれいに見えます。
■2014年04月12日
石膏ボードを貼ってます。
高尾のカフェのリフォーム、亀の歩みで少しずつ進んでます。経過報告でシータ。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
漆喰は粉から練ると大変なので、練ってある商品を買うつもりでしたが、ハンドミキサーや練り桶を貸してくれるという人が現れたので、ついでに漆喰まで仕入れてもらって、お言葉に甘えて道具を借りてきました。コテなども一式借りてきましたが、手持ちのものが2組ほどあったので、それでなんとか足りています。
キッチンとトイレの入り口の間に仕切りをつけました。2×4材でお手軽に。キッチン側の上はボードを張らずに、棚にする予定。
フロアタイルを貼ってます。
いよいよ外壁の解体を始めました。標準の3.5寸×3mの柱がホームセンターになくて、あちこち探してます。 ホームセンターに材料を買いに行くだけのつもりだったのに、朝起きて、ちょっとサッシが外れるかネジを緩めてみようと思ったら、解体職人が乗り移ったらしく、そのままバリバリメキメキと壊してしまいました。なので、作業つなぎではなく、普通にジーンズ姿(笑。 これだけ開口部が広くなると、このまま全部をガラスにしたくなりますね。
壁やサッシの下に、さらに前のレールがあって、全体的に斜めになっていたので、とりあえずモルタルで埋めてみました。
サッシだけでも外してドアに変更したいと話していたものの、柱の根元がボロボロだったし、もうひつの窓や壁が残って中途半端なので、思い切って全面的に作り替えることに。インドネシアの植民地時代に使われていたという年代物のドアと、学校で使われていた引き戸窓をヤフオクで手に入れて、それに合わせて柱を立てました。
ドアの両側の窓の設置。腰壁を作ってから、窓をはめて丁番をつけるんですが、これがけっこう難しい! けっきょく、窓枠に先に丁番を付けてから、それを固定するやり方にしました。戸当たりをつけて、ひとまず完成。上側はまだどうするか検討中です。
腰壁のところは、外壁はラスカットパネルを貼って、その上から漆喰を塗る予定です。内側は石膏ボードを貼って、ここも漆喰で仕上げます。外側も、だいぶ形になってきました。
外壁の漆喰塗りでした。柱にもペンキを試し塗り。横の壁が汚れてたので、ついでにそこも漆喰を塗ってしまいました。
屋外配線を撤去して、オーナーの樹音さんにシャッターカバーにペンキを塗ってもらいました。辛子色がなかなかいい感じです。
中途半端な長さの2×4材が余っているので、縦割りに細くして、窓の戸当たりを3面にしてみました。一箇所はノミで欠き込んでます。これで隙間風もだいぶなくなるはず。
カウンターの製作に着手しました。どういう構造がいいのかまったくわからないので、現場合わせで適当に進めてます。柱を立てて、構造用合板を張って、タイルで仕上げます。 ホームセンターで見つけて、丸ノコの定規というものを買ってみました。
■2014年05月04日
床張りまであと一歩。
もう一度、がらんどうにして撮影してみまシータ。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
カウンター製作のあと、荷物を全部外に出して、床貼り作業を始めました。板の継ぎ目でうまく根太が揃わないので、継ぎ目に根太がなくてもいいように間隔を狭くしてみました。3列固定したところで暗くなったので、外の物をまた中に入れて終了。
窓の調整金具が届いたので取り付け。やっぱり内鍵も必要な感じです。あとは玄関ドアのかんぬきの受け金具を、ノミで少しずつ削りながら付けました。
食器棚用の鉄枠はオリジナルでつくってもらいました。内幅を32cmにしたつもりが30cmだったので、上側の板を調整したら、かえって下の板がぴったりになっていい感じです。
食器棚の上側の棚を間に合わせの材料で作製。ふたの下が空いてたのは、あとでコンパネで上部を覆って、ふたがきちんと閉まるようにしました。
窓ガラスをはめ込んで、縦だけの額縁で固定してみました。サイズ違いのガラスを自分で切ろうと思ったけど割ってしまって、再度注文し直しました。
残りの足場板で壁沿いのベンチを製作。1枚が幅20cmなので、2枚で奥行40cmになりますが、分割してイベント時のベンチに活用できるようにしました。4本になるので、けっこう座れそう。
脚部分は2×8で、間の補強は余っていた2×4を活用しました。足場板の厚みが35mmあって強度はあまり必要ない気がしたので、ほぞ組みなしで付き合わせました。補強金具もなし。
悩みに悩んだ玄関の庇は、コンパクトにまとめることにして、ようやく着手しました。あとは木のところを白く塗って完成です。中空ポリカは4mmのものを使いました。
看板の上にも小さな庇を作ってみました。ペンキが乾いたらポリカを固定して、電球を付けました。
■2014年05月19日
オープンまであと少しです。
ふたこぶ食堂、とりあえず僕ができるのはここまで。オープンまであと少しです。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
■2014年07月14日
ようやくオープンしました。
高尾のふたこぶ食堂、本日オープンです。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
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http://diy-f.jp/machinaka/1558